T.ヘイガー 『大気を変える錬金術 ハーバー、ボッシュと化学の世紀』
大気からアンモニアを作るハーバー・ボッシュ法.それがどのように生み出されたのか,またその二人の研究者はその後どのような道に進んでいったのかを知ることのできる書物.
原著はThomas Hagerの"The Alchemy of Air"(2008)である.
著者のトーマス・ヘイガーは1953年生まれで,アメリカのオレゴン州出身のサイエンス・ライター.オレゴン健康科学大で微生物学と免疫学の学位をとり,オレゴン大学ではジャーナリズムの学位もとっている.長年,医療畑の記事を扱う記者や編集者という経歴を歩んだ.2008年に本国で出版されたこの本は医療ではなく化学を扱っているが,完成度が高く,本国ではよく売れた本のようだ.
有機物は,酸素,炭素,窒素,水素,リン,硫黄の6種類の元素からできている.ハーバー・ボッシュ法(Haber–Bosch process)は,その窒素を大気中から固定する方法である.
もちろん空気の70%は窒素分子である.しかし我々が呼吸をしたところで,それを酸素のようには取り込むことはできない.
生物が利用できる有機物に作り変えることは
イーゲー・ファルベンインドゥストリー
日本版では装丁が違い,デザインはいいと思うが,そんなことにコストを掛けるくらいなら小売価格を抑えて欲しいのが本音.白川英樹の解説も要らない.監修くらいの仕事をしてくれるなら翻訳も正確になるのに.
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