農耕開始から世界大戦まで、人類は地上にわずか〇・〇八%しか存在しない炭素をめぐり、激しい争奪戦を繰り広げてきた。そしてエネルギー危機が迫る現在、新たな「炭素戦争」が勃発する。勝敗の鍵を握るのは……? 「炭素史観」とも言うべき斬新な視点から人類の歴史を描き直す、化学薀蓄満載のポピュラー・サイエンス。
http://www.shinchosha.co.jp/book/603732/
「おわりに」で著者が語っていますが,著者は科学史や世界史の専門家ではありません.あの本でよんだなぁというような話が多く,個々の内容について詳しく書かれているわけでもありません.しかし,大変面白く読みました.作者の史観が強調されているわけではないので,歴史の見方に癖がありません.かといってた単調でつまらない文章でもありません.参考文献を丁寧にまとめたものなのでしょう.
炭素は地球上で貴重な存在だというのはその通りです.昔,環境問題についての感想を書かされた時に,ひねくれていた自分が,低炭素なら生物なんていないでしょとか,地球環境のほとんどはスケールの割合で考えると地面の下で起きるマントルとかの対流の話だとか書いたことを思い出しました,次元の違う話ですが.
地上に0.08%しかない炭素というのは,クラーク数がもとになっているのでしょう.クラーク数はアメリカの地球化学者フランク・クラーク(Frank Wigglesworth Clarke)が,導いた値で,クラークは1847年から1931年の人ですから,今使うには
主要参考文献が興味深いので以下に主なものを列挙します.
『銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎』
『銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎』
言わずと知れたジャレド・ダイアモンド(→wiki)の世界的名著.
『スパイス、爆薬、医薬品 - 世界史を変えた17の化学物質』
文庫になるのを待ちましょう.
『文明はなぜ崩壊するのか』
ダイアモンドも『文明崩壊』という似た名前の本を書いています.
『人類が知っていることすべての短い歴史(上)』
『人類が知っていることすべての短い歴史(下)』
『一目でポイントがわかる!科学で見る!世界史―オールカラービジュアル版』
『ヴォート生化学〈上〉』
『ヴォート生化学〈下〉』
これが生化学の一般的な教科書なのでしょう.
『化学物語25講―生きるために大切な化学の知識』
『麻薬とは何か―「禁断の果実」五千年史』
『阿片の中国史』
『新化学読本―化ける、変わるを学ぶ』
『気候文明史』
気候変動と歴史の関係について書かれた本は何冊か出ていますが,中でもこの本の評価は高いようです.
『ジャガイモの世界史―歴史を動かした「貧者のパン」』
中公新書は
『日本の米―環境と文化はかく作られた』
『パンドラの種 農耕文明が開け放った災いの箱』
『食の終焉』
ぜひ読んでみたい.しかし,価格とページ数が…
『食の世界地図』
文春新書には他にも民族の世界地図等もあります.ただしいずれも出版年がネック
『知っておきたい「食」の世界史』
著者は日本史の方も書いていています.
『食文化入門』
こんな本もあるようだ
『シュガーロード 砂糖が出島にやってきた』
興味深い本です.出版社が地方新聞社なので入手困難なのでしょうか.
『砂糖のイスラーム生活史』
『砂糖の世界史』
岩波ジュニア新書
『砂糖の歴史』
こっちは翻訳本で高価です
『図解 食の歴史』
『美食の歴史2000年』
『スパイスの人類史』
『スパイスなんでも小事典―おいしくて体によい使い方』
『文明を変えた植物たち―コロンブスが遺した種子』
『海の都の物語〈1〉―ヴェネツィア共和国の一千年』
塩野七生も全部読破したいなぁ
『疫病と世界史 上』
『疫病と世界史 下』
マクニールの『世界史』の姉妹本,『戦争の世界史』もあり
『化学者池田菊苗 漱石・旨味・ドイツ』
『「うま味」を発見した男』
『うま味って何だろう』
『アミノ酸の科学』
『からだと化学物質』
『タバコが語る世界史』
高校の歴史教科書で大きなシェアを占めている山川出版社の世界史リブレット.つまり媒体は100ページ弱程度の小冊子です.
『たばこの「謎」を解く』
タバコは乳がんを防ぐというのは本当なのでしょうか,
『脳学』
『遺伝子が明かす脳と心のからくり』
『カフェイン大全』
大著です
『世界を変えた6つの飲み物』
『チョコレートの世界史』
『茶 利休と今をつなぐ』
『茶の文化史 喫茶の始まりから煎茶へ』
『徹底図解痛風 激痛発作を防いで治す』
『メディチ家』
講談社現代新書には他にも『ハプスブルク家』や『ロスチャイルド家』という本もあります・
『システィーナのミケランジェロ』
『蒙古襲来 転換する社会』
『知っておきたい「酒」の世界史』
『日本酒』
『酒の話』
『居酒屋の世界史』
居酒屋に世界史ってあるのですかっという話ですが,いまや世界入りにくい居酒屋っていうNHKの番組もありますしね.居酒屋からここまで世界史を語れるのかという本です.
『逆説・化学物質 あなたの常識に挑戦する』
『禁酒法「酒のない社会」の実験』
『バイオ燃料 畑でつくるエネルギー』
『飛び道具の人類史』
『ユナボマー 爆弾魔の狂気―FBI史上最長一八年間,全米を恐怖に陥れた男』
セオドア・ジョン・カジンスキーについて語る本です.
『コンスタンティノープルの陥落』
塩野七生
『アルフレッド・ノーベル伝 ゾフィーへの218通の手紙から』
『日本海海戦 かく勝り』
半藤一利と戸高一成の作.日本海海戦で使われたピクリン酸についての記述があるのだろうと予想されます.
『大気を変える錬金術 ハーバー,ボッシュと化学の世紀』
ハーバー・ボッシュ法を表現するのに,「大気を変える錬金術」とは言い得て妙な題名ですね.
『毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者』
これは興味深い本です.ハーバーの別の面が伺えます.
『石油の世紀 ロックフェラーから湾岸戦争後の世界まで』
白水社の新書はどれも格調高いものが多い気がします.古臭い字体と翻訳表現でちょっと読みにくいですが.
『世界エネルギー市場 石油・天然ガス・電気・電気・原子力・新エネルギー・地球環境をめぐる21世紀の経済戦争』
『シェールガス革命とはなにか エネルギー救世主が未来を変える』
原油安になってからは日本でこの話題を効かなくなりました.
『地球温暖化バッシング』
『創薬科学入門』
本人が書いた本です
『サンゴとサンゴ礁のはなし 南の海のふしぎな生態系』
著者は本川達雄.ナマコをいじっている変な先生でした.ぞうの時間ネズミの時間もこの人の本なのですね.
『興亡の世界史20 人類はどこへ行くのか』
講談社の世界史の最終巻です.
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